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童話 ホルモンの森 04『ネコネコの町の小森のおばあさん』


2015年9月制作 DosGatos
楽曲:「これはただの夢だから目覚めれば何も残らない」
作詞・作曲・ボーカル・イラスト・デザイン:holmium
編曲・ミックス・トラックメイキング・マスタリング・童話:MONTAN
DosGatos4枚目のアルバムは音楽とお話を楽しむコンセプトです。



童話 ホルモンの森 04 作:MONTAN
●ネコネコの町の小森のおばあさん

広大なネコネコ森の西のはずれには、
二匹の白ネコ、ホルとモンのホルモン屋がありますね。
さらにその西には、さまよえる人間とネコが暮らしている
「ネコネコの町」があるのです。

今回は、ホルが一匹でネコネコの町に行くお話です。
ホルモン屋が休みの時とか、
たまには一匹でふらつきたくなるのです。
それに町には、ホルのお気に入りの秘密の場所があるのです。

ホルが町に入るとすぐに立ち寄ったのは、
レモンとユーコと黒ネコのヒロが暮らしている家。
レモンとユーコは果物屋をしていました。
ヒロが店番です。
「やぁ、ヒロ。ひとりで店番かい?」
「やぁ、ホル。あれっ、モンはいないの?さてはあそこに行くのね。」
「えへへへ、まぁ~ね。ユーコさんはいないの?」
ヒロは心得たように、小さなみかんを5つ茶色の紙袋に入れながら、
「まだ2階で寝ているよ。レモンが遅くまで起きているからいけないのよ。」
“ちぇ、残念”ホルは美人のユーコさんを一目見たかったなぁと思うのでした。

みかんの入った紙袋を抱えて、ホルはさらに町の奥に進みます。
町中はざわざわと、人とネコが往来し、憂いと活気に満ちておりました。
そんな中、ホルは通りの向こうから歩いてくるリンゴちゃんを見つけたのです。
「あれ、リンゴちゃん。こんなところにいたの!」
「やぁ、ホル。内緒にしていてよね。」
「だって、人形の人が探していたよ。リンゴが家出したってね。」
「あそこは、私にふさわしくないもの。だから戻りたくない!」
「ふ~ん、そうなの。あっところで、小森のおばあさんの家ってこの先だよね?」
ホルはネコのクセに方向音痴なので、ちょっと不安だったのです。
「あぁっ、小森のおばあさんの家…。」
リンゴは後ろを振り返り、キョロキョロしました。
「ほら、あの左側の細い路地。ちょうどアヒルが歩いているでしょ。あの後をついていくといいよ。」
「どれどれ、あっ、いたいた!あれだね。ありがとう。リンゴちゃん!」
ホルはリンゴに手を振り別れました。
リンゴはなんにも言わないで、そそくさとその場を立ち去りました。
“リンゴちゃんは、犬に食べられたってウワサだったけど、生きていてよかったよ。”
そんなことを考えながら、ホルはゆっくり歩いているアヒルの後についていきました。

アヒルが歩く狭い路地はますます狭くなり、
白い石の壁から黒い木造の壁に変わってきました。
やがて少し広い通り出ると、目の前に見慣れた古い日本家屋が建っておりました。
風情のある玄関先には、お供え用の5つの台がありました。
それは丸太の杭の上に、鳥の巣箱のようなものがちょこんと乗ってあるのです。
ホルはその巣箱の穴に、さっき買ってきたみかんをひとつずつ入れました。
穴はホルが二本足で立って、鼻の上くらいにありました。

玄関先から左手に回り庭先に出ると、
ホルはどうしたわけか二本足で歩けなくなります。
こぢんまりとした庭には、大きな和傘があり、野点の席のようです。
藤の花が奥ゆかしく咲いていて、池には蓮が植えられております。
葉の上には、いくつかの水滴がころころ踊っているのでした。
竹製の筒から水が池に流れており、
澄んだ水の中では、金魚やフナが気持ちよさそうに泳いでいました。
ホルはここに来ると、よちよち歩きでコネコになったような気分になります。
それがとても面白いのです。
「あら、白ネコちゃん、いらっちゃい。」
小森のおばあさんが部屋の奥から縁側に出てきました。
小さな体で年の割に華やかで落ち着きのある和服を着ておりました。
「今日もひとりかい?お友だちはいないのかい?」
「モンはたぶん昼寝をしているよ。ここはボクの秘密の場所だからモンには教えない。」
本当は、赤ちゃんのような恰好をモンに見られたくないだけなのです。
「やっぱり、恥ずかしいよなぁ…。」
「ごめんね。白ネコちゃん。おばちゃま、白ネコちゃんの言葉が分からなくてね。」
小森のおばあさんはホルが何を言っているのか分からず、ただ、ニャーニャー言っているように聞こえます。だけど、ホルはおばあさんの言葉が分かります。
こんな風なので、ホルはますます赤ちゃんになったように感じてしまうのでした。
「ほら、マグロの缶詰でちゅよ。」
おばあさんが縁側に置いた古風な和食器の上に乗った猫缶を、
ホルは美味しそうに食べました。
「これは美味いなぁ!家で食べるのと全然ちがう!」
モンは食べられれば何でもいいやっというタイプだったので、
ホルもそれに合わせて、普段は安物のカリカリばかり食べているのです。
「ああ、ほっぺがおちるにゃ~。」
マグロの高級猫缶にもう夢中です。
「ニャーニャーおしゃべりして食べて、面白い子でちゅねぇ~。」
おばあさんは楽しくなって笑っておりました。

縁側で満腹になった白ネコは、おばあさんの膝枕でゴロゴロ鳴いていました。
おばあさんは、白ネコの頭や背中を優しく手のひらで撫ぜています。
至福の時間がゆっくりと流れていきました。

恍惚の時からふっと我に返ったホル。
気が付くと目の前には、白くて大きな丸いものがありました。
「なんだろう?」
白ネコは四足でよちよち近づいていきました。
それは大きな鏡餅なのですが、ホルには分かりません。
なめたり、ほおずりしたりしていると、その上に乗ってみたくなりました。
乗ってみるとほんのりやわらかくていい気持ちです。
縁側から一段高くなった感じで眺める庭の風情も格別でした。

「あら、白ネコちゃん。お餅の上に乗って、あなたもお餅みたいでちゅよ。」
おばあさんは、二段重ねの鏡餅のようになっているのをみて、面白くなりました。
奥座敷から、この場所にちょっとそぐわないようなピンクのカメラを持ってきて、
「写真とりまちゅよ~。じっとしていてね~。」
とカメラのピントを合わせます。
「う~ん、なにかものたりまちぇんねぇ~。」
おばあさんはさっきからすっかり赤ちゃん言葉になっています。
和服の袂から小さなみかんを取り出しました。
そして、白ネコの頭と背中の間のくぼみにそっと乗せました。
「あら、すごく可愛いでちゅね~。はいそのまま。いきますよ~。」
「はい、オイチーズ!」
おばあさんはシャッターを切りました。
ホルはおばあさんが満足するまで、じっとしていました。
“あんなに喜んでくれて、なんだかこっちも嬉しくなるよ。”
そんな風に思いました。

やがて白ネコは日も暮れそうなので、庭先からよちよちと外に帰って行きました。
「白ネコちゃん、バイバイねぇ~。また来るんでちゅよ~。」
後ろから、おばあさんの名残惜しそうな声が聞こえました。
外へ出ると、ホルは二本足で歩けるようになりました。
「面白いなぁ。やっぱり、モンにも教えてあげようかなぁ。」
すぐに鏡餅になった自分を思い出し、
「いゃぁ~、あれは恥ずかしすぎるよ。」
と、やはり秘密にしておくことにしました。

4話 了
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テーマ : 児童文学・童話・絵本
ジャンル : 小説・文学

ブログ◆オリジナル曲「From Dusk Till Dawn」


OKMusicで試聴
noteで試聴

2015.9制作
制作中のアルバム「Techno Factory」3曲目。
Album "Techno Factory"
Retro and future techno series.
https://montan.bandcamp.com/album/techno-factory



レトロとミライのテクノシリーズ。
ダークな前半とノリの良い後半で印象が随分違います。
そんな風な内容の映画をふと思い出して、それをタイトルにしました。
前半は強盗殺人の兄弟の逃亡劇から、ナイトクラブ「ティッティー・ツイスター」で吸血鬼のバトル。
展開が物凄かった印象の映画でしたね。

MASCHINE 2.2 から
柔軟で多様性ある Arp エンジン を搭載しており、この機能でサウンドをノートシーケンス演奏することができます。
アルペジオは複数パッドを押す、または Scale と Chord エンジンで演奏コードを設定することも可能です。

私のバージョンは2.3.1。メニューの「Help」から日本語のマニュアルが読める。
本体のパットを使って、指一本ワンタッチのコード演奏とアルペジオ演奏が可能。
情報としては知っていたのだが、今日試しに使ってみたらとても便利でおもしろい。
次の曲はこれを使って作っています。

以下のサイトを参照しました。
http://neralt.com/maschine-2-2-how-to/

テーマ : 作詞・作曲
ジャンル : 音楽

ブログ◆オリジナル曲「Style Counseling」


OKMusicで試聴
noteで試聴

2015.09制作
制作中のアルバム「Techno Factory」より2曲目 。
クラフトワーク的な音で実験。レトロとミライのテクノシリーズ。
クルドの女性ボーカル音源 ROJIN 使用。

テーマ : 作詞・作曲
ジャンル : 音楽

童話 ホルモンの森 03『森の小さな天体観測所』


2015年9月制作 DosGatos
楽曲:「メッセージ」
作詞・作曲・ボーカル・イラスト・デザイン:holmium
編曲・ミックス・トラックメイキング・マスタリング・童話:MONTAN



Dos Gatos4枚目のアルバム「ホルモンの森」から3曲目です。
コンセプトはストーリーと音楽です。
今回は先に曲ができて、それをイメージして軽い感じの童話を書きました。

童話 ホルモンの森 03 作:MONTAN

●森の小さな天体観測所

うすモモの空にコーヒーが流れて、
ネコネコの森にも夜がきました。

大きなホルモンの木のそばには、
がらくたのようなピンクの家があります。
二階には双子の白ネコが眠っておりました。
ちょっとのぞきに行ってみましょう。

木製の小さなベッドから落ちて、
なにやらもがいているのはモンですね。
どうやら川でおぼれている夢を見ているようです。
いっぽう黒いビーズクッションの上で、
なにやら目を開けたまま寝ているのはホルですね。
ときたま「ムフフ」と笑っているみたいです。

ホルとモンの家のてっぺんには小さな天体観測所がありまして、
大耳ネズミのジョージが真夜中に観測を続けているのです。
ホルとモンはそんなこと、まったく知りません。
天文学ネズミのジョージが、かってに間借りしているのでした。

屋根の上には小さなドーム型の屋根がさらに突き出していて、
小さな望遠鏡があります。
ネズミのジョージは、星を観測しては、
なにやらノートに記録を付けておりました。
「ネズミノシッポ星雲は穴ボコだらけだ。チーズみたいでウマそうだな。」
ジョージは興奮して大きな耳を動かしました。

真夜中の3時。ティータイム。
ジョージは疲れた体を一休みさせ、小さく切ったチーズと紅茶で一息入れました。
こんな真夜中、楽しみにしているラジオ番組があるのです。
テーブルのそばにある古いアナログラジオのスイッチを入れました。
おなじみのテーマ曲が小さなノイズまじりに流れてきました。
「ホルモン通信~~。」
「双子の白ネコ、ホルとモンがお届けする30分のラジオ番組じゃよ、むにゃむにゃ。」
おなじみのオープニングが終わると、二匹のおしゃべりが続きます。
ジョージは、二匹のネコのことは知りませんが、昼間の出来事など語っていて、
いつものこの時間をとても楽しみにしていました。
「いったいどこで放送しているのだろう?しかし、このような低俗な話を聞くのは、気分転換にもなり、
脳がリラックスしていいことではあるな。わははは。」
大耳ネズミのジョージは、いつも真夜中にひとりで仕事をしているので、
たまにとても寂しくなるのです。
ずっともくもくと仕事をしているので、しゃべることも笑うことも忘れていました。
何気なくスイッチを入れたラジオから偶然流れてきた番組。
それ以来、ジョージは毎晩が楽しくなりました。
ホルが「メッセージ」という新曲を披露して、番組は終わりました。
「では、またこの時間にお会いしましよう、むにゃむにゃ。」
午前3時半。
「しかし、なんでこいつらは、言葉の最後に“むにゃむにゃ。”と言うのだろう?」
ジョージは不思議に思いました。

それはねぇ、ジョージくん。それは二匹の寝言だからですよ。
ホルとモンの寝言が、この古いラジオから流れるのです。

遠い星のこともナゾでいっぱいですが、
すぐ近くのことも、あんがいナゾでいっぱいというお話でした。
では、また、明晩!

3話 了

テーマ : 児童文学・童話・絵本
ジャンル : 小説・文学

ブログ◆オリジナル曲「Techno Factory 01」


OKMusicで試聴
noteで試聴

2015.09制作
「Techno Factory」シリーズ 第1弾です。
クラフトワーク的な音で実験。レトロだけど未来的でもある音楽。

テーマ : 作詞・作曲
ジャンル : 音楽

01-9 寺田ひろみ(シンガーソングライター)の場合 (最終話)


はじめに
この小説は、私MONTANとholmiumによるユニット「Dos Gatos」4枚目のアルバム「ホルモンの森」から派生してできています。

ホルモンの森に消えゆく人たち
01-9 寺田ひろみ(シンガーソングライター)の場合

01-9cut_w600px.jpg
illustration:holmium

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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

ブログ◆コラボ曲 ★愛の「歌詩(うた)」語り・yumej



OKMusicで試聴・フリーダウンロード
noteで試聴・フリーダウンロード

作詞・語り:yumej
作曲・編曲:MONTAN
トルコ語訳詞・雑談:yumejさんのお仲間たち



この歌詞を読んだ時、yumejさんに語りをしてもらい、
それでイメージした曲を作ってみたいと思いました。
今回、yumejさんのお仲間たちのご協力で、トルコ語の声も入れることが出来ました。ワールド好きな私は大変刺激になりまして、中間部分、異国っぽさを出してます。yumejさんの語り、とても大人の魅力たっぷりです。
最後にyumejさんのワンちゃんの声も入れました(=^.^=)

MONTAN


★愛の「歌詩(うた)」 
http://okmusic.jp/works/55748

2015/6/4 作詞/yumej
http://okmusic.jp/user/78179

テーマ : 作詞・作曲
ジャンル : 音楽

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プロフィール

MONTAN18

Author:MONTAN18
音楽好きが高じて自分でも作り始める。好きなジャンルは国内海外問わず、ロック、ポップス、ジャズ、クラッシック、ワールド、エレクトロリカ・ポストロック・テクノなど多岐に渡る。ルーツはプログレ。
montan_place@yahoo.co.jp

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